社長メッセージ
当社グループはモノづくりを通じて、挑戦し続ける企業集団を目指します。

日本精鉱は、1573年に発見された兵庫県養父市の中瀬金山の再開発を目的に1935年に設立され、その後、金とともに産出していたアンチモンの用途開発が広がり、国内はもとより世界に高品質で様々な用途に応じたアンチモン製品の供給を続けております。
また、2000年に当社の子会社となった日本アトマイズ加工株式会社は、導電ペーストやパワーインダクタといった電子部品用の素材や、精密モーター軸受や自動車部品向けといった粉末冶金用の素材に使用される各種金属粉末を水アトマイズ法で製造し販売しています。
海外子会社の日銻精礦商貿有限公司は、中国でのアンチモン製品等の販売と原料調達を行っています。
アンチモンは、鉛蓄電池の電極材料、ポリエステルやアクリルの合成触媒、半導体材料など様々な用途に使用され、国内はもとより世界に高品質で様々な用途に応じたアンチモン製品の供給を続けています。
特にプラスチック材料の難燃剤として自動車、家電、産業機械、住宅などに用いられ、発火のリスクを抑える用途で、難燃助剤として使用されている主力製品の三酸化アンチモンは、国内メーカーの国内市場販売で約70%のトップシェアを誇ります。また、日本アトマイズ加工株式会社で製造する金属粉末は、水アトマイズ法による高度な粒度コントロールによって様々な金属粉末を作り出し、顧客のニーズに応じた各種金属粉末を供給しています。主なものでは、銅粉末が積層セラミックコンデンサー向け電極材料、鉄合金粉末がパワーインダクタ向けコイル材料、青銅粉が小型モーターの軸受用粉末冶金材料と、自動車や通信機器などの精密電子部品の用途に多く使用されています。
近年の生成AIの普及やロボットや高速通信によるIoT化、自動車のEVや自動運転などCASE化に対応したDXが急速に伸展しており、材料開発はよりニッチでスピードが要求されるようになっています。
そうしたなか、当社創立100周年となる2035年を第2の創生と位置づけ、そこへ向かっての長期ビジョンとして「当社グループはモノづくりを通じて、挑戦し続ける企業集団を目指す」ことを掲げました。その為に、➀独自の技術と高付加価値にこだわり続けてグローバル展開に挑むこと、②人的資本を充実させ一段高いハードルを目指す人財を育成すること、③社会への貢献とサーキュラーエコノミーの実現という3つの課題に取り組んでいき、財務目標としてROEを安定的に10%以上にしていきます。
また、2025年6月に会社設立90周年を迎え、2025年4月から2028年3月までの新たな3か年の中期経営戦略を策定致しました。第2の創生(創立100周年)に向けた基盤づくりのための挑戦と変革の3か年として、財務目標は連結営業利益が3か年平均で30億円以上、ROEが同じく3か年平均で10%以上を目指します。
中経の基本方針として、以下4点を取り組みます。
- グループ連携の更なる強化
- 既存事業の競争力強化とグローバル展開への挑戦
- 最適な事業ポートフォリオの構築と新規事業の創出
- 人的資本の充実とESGへの取り組み
100周年に向けて全てのステークホルダーの皆さまに感謝するとともに、当社の事業の持続的成長とさらなる企業価値の向上を目指してまいります。本中期経営戦略の目標達成とその後の継続的ステップアップに向けて取り組んでまいりますので、今後とも一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役社長
植田 憲高